• 米ドル、カナダ・ドルや豪ドルなどに対し大幅安-原油高背景に
  • トランプ米大統領、中国・習主席の「思いやりのある言葉」に感謝

10日のニューヨーク外国為替市場では、スイス・フランや円、ドルが下落。貿易問題が引き続き緩和され、世界的なリスク資産値上がりの流れに押された。原油相場の堅調でカナダ・ドルは米ドルに対し、2月下旬以来の高値に上昇した。

この日はニューヨーク原油先物が3%余り上昇。中国の習近平国家主席は博鰲(ボアオ)アジアフォーラムでの基調講演で、銀行から自動車製造まで多岐にわたるセクターを開放すると明言した。トランプ米大統領は主席の「思いやりのある言葉」に感謝するとツイート。米中貿易摩擦を和らげる初めての動きと受け止められた。

ニューヨーク時間午後4時46分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.3%低下。ドルは対円で0.4%上げて1ドル=107円20銭。ユーロは対ドルで0.3%上げて1ユーロ=1.2354ドル。米ドルはカナダ・ドルに対し0.7%安。遅い時間に1.2589カナダ・ドルで日中安値を付けた。ブルームバーグのドル指数も、取引時間遅くに安値近辺で推移した。商品相場の上昇を背景に、オーストラリア・ドルとニュージーランド・ドルも米ドルに対し大きく上昇した。

欧州時間の取引

円が米国債とともに下落。習主席が市場開放や世界貿易支援の意向を表明したことで、米中間の関税を巡る対立が悪化するとの懸念が薄れた。ドルは円に対し一時、0.4%高の107円24銭をつけた。習主席の講演後には、オーストラリア・ドルも上昇した。

原題:Haven Currencies Decline as Risk Assets Rally Around the Globe(抜粋)
Yen Slips With Treasuries as Xi’s Speech Calms Market Nerves(抜粋)