17日のニューヨーク外国為替市場ではドルが反発。好調な米企業決算や経済データ、金融当局者の発言を受け、リスク選好が強まった。ただロシアに対する追加制裁の懸念から、ドルの上値は抑えられた。
ブルームバーグのドル指数は一時0.2%上昇したが、その後上げを縮めた。クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は、トランプ政権がロシアへの追加制裁を検討していると述べた。一方でスイス・フランは主要10通貨全てに対して下落。株価上昇を手掛かりにモメンタム取引が活発になった。ニューヨーク時間午後4時40分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.1%高。ドルは対円で0.1%安の1ドル=107円02銭。ユーロは対ドルで0.1%下げて1ユーロ=1.2374ドル。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジスト、アタナシオス・バンバキディス氏は「主要10通貨は極めて狭いレンジでの推移が続いており、出来高は歴史的低水準にある。ただドルは現在のところ、他の通貨との動きのずれが最も大きい」とし、「われわれは年内のドル上昇、特にユーロに対する値上がりを引き続き楽観している」と続けた。ドルはまた、ムニューシン財務長官の発言にも支えられた。長官は通貨切り下げゲームに言及したトランプ大統領の16日のツイートについて、ドルの押し下げを意図したものではなく、中国とロシアに対する「警告射撃」だと説明した。
サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は、貿易を巡る最近の対立について、自身の見通しを変えてはいないが、不確実性が生まれたと説明。また資産価格は高いがバブルではないとも指摘した。フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、現在の失業率について、自然失業率かそれを下回っているとの認識を示した。また朝方発表された経済データを手掛かりにリスク選好が強まった。3月の米住宅着工件数は市場予想を上回り、前月の数字は上方修正された。また3月の鉱工業生産指数は前月比0.5%上昇。市場予想は0.3%上昇だった。
欧州時間の取引
欧州時間にはユーロが下落。ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)がまとめた4月の独景況感指数が低調だったことが響いた。またポンドはドルに対して一時上昇したが、その後は英国の賃金統計が期待外れな内容となったことから下げに転じた。