日米首脳会談が始まった。初日は約2時間、安倍首相とトランプ大統領の指しの会談をふくめて北朝鮮問題、慰安婦問題、日米の通称問題などが話し合われたようだ。今朝のニュースを見る限り日本の最大の関心事である慰安婦問題を米朝首脳会談で取り上げると、トランプ大統領は約束した。今後、拉致被害者問題の解放に向けて少しでも事態が好転することを期待したい。肝心の核問題については日米の認識は完全に一致している。北朝鮮問題の慣用句ともいうべき「完全かつ検証可能で不可逆的な方法での核・ミサイルの放棄」が両首脳間で再確認された。とりあえずは一安心か。

気になる発言もある。トランプ大統領は米朝の首脳会談が「6月初旬か、その前かもしれないが、うまくいくように願っている。うまくいかなかったら、強い姿勢で臨みたい」と発言した。米朝はすでに水面下でハイレベルの直接対話を行っている。そのうえで「うまくいかなかったら」と発言しているわけで、首脳会談の準備が必ずしも順調に進んでいるわけではなさそうだと、ちょっと勘ぐりたくなる。韓国も今月末に南北首脳会談を行うが、その時の議題として北朝鮮に対する「経済支援」は取り上げない意向だと、関係国に伝えているという。国連の経済制裁を遵守するということだろう。ただ、北朝鮮は17日現在、「正式な議題を決めるには至っていない。韓国は高官協議を開いて議題を詰めたい考えだが、北朝鮮は応じていない」(朝日新聞デジタル)とある。この一行も気になる。

南北に米朝と2つの首脳会談は実現するだろう。そうは思いつつも、北朝鮮のことだ、直前になってキャンセルを言い出す可能性は依然としてゼロとはいえない気がする。気まぐれな金正恩、個人的にはいまだに信用できない。同時に、トランプ大統領が慰安婦問題を米朝首脳会談で取り上げると約束しても、全幅の信頼は置けないという心配も頭の片隅をかすめる。トランプ大統領と金正恩委員長、似た者同士である。金正恩は手のひらを返すように、それまでと違った行動に簡単に打って出る。トランプ大統領もツイートの発言や周囲の説明にお構いなく独自の行動や発言を平気で行う。結果よければすべていいのだが、場当たり的な行動が最悪の結果を招かないか、心配の種は尽きない。