19日のニューヨーク外国為替市場ではドルが主要10通貨ほぼ全てに対して上昇。欧州債の動きを受けて米10年債利回りが上昇、年初来高水準に接近したことが手掛かり。主要10通貨ではポンドの下げがきつい。一方でユーロはスイス・フランに対して値上がりし、一時2015年1月以降で初めて1ユーロ=1.20フラン台を付けた。
ブルームバーグのドル指数は一時0.5%上昇した。ポンドはドルに対し今月最大の下げを記録。イングランド銀行のカーニー総裁の発言に反応した。市場では同中銀による5月の利上げが広く見込まれているが、カーニー総裁は利上げとならない可能性を示唆。今後の利上げのタイミングは、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る協議の道筋に左右されるとの認識を示した。
ニューヨーク時間午後4時46分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.5%高。ドルは円に対して0.1%上昇し1ドル=107円35銭。ユーロは対ドルで0.2%安の1ユーロ=1.2344ドル。ポンドは対ドルで0.8%下げて1ポンド=1.4085ドル。
米国債利回りはフィラデルフィア連銀製造業景況指数が市場予想を上回ったことや、3年ぶり高値に上げた原油相場、米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事が景気循環的な圧力が強まりつつあり、資産バリュエーションが伸長していると指摘したことに支えられた。
欧州時間の取引
欧州時間にもユーロはフランに対し1.20フラン台に接近する場面があったが、その後は利益確定の動きから上げを失った。ポンドは欧州時間も軟調。経済指標が市場予想を下回ったことに反応した。