日本とロシアの外務次官による戦略対話がモスクワで行われ、秋葉事務次官は、平和条約の締結交渉に関連して、北方領土周辺の安全保障環境について協議する新たな対話の枠組みを設置する方向で議論が進んでいることを明らかにしました。

日本とロシアの関係や国際情勢について協議する日ロ戦略対話は19日、モスクワで行われ、外務省の秋葉事務次官とロシア外務省のチトフ第1次官などが出席しました。

秋葉事務次官は、平和条約の締結交渉に関連して、北方領土を含む地域の安全保障環境について協議する新たな対話の枠組みを設置することについて「一定の方向性は見えてきた」と述べ、議論が進んでいることを明らかにしました。

新たな対話の枠組みは、先月の日ロ外相会談でロシア側が提起したもので、背景には、仮に北方領土が日本に返還された場合、日米安全保障条約を理由に在日アメリカ軍が展開するのではないかというロシア側の懸念があります。

対話の枠組みの内容について、秋葉事務次官は「まだ発表できる段階にはない」と述べ、詳細は明らかにしませんでした。

このほか、戦略対話では北朝鮮情勢をめぐる議論も行われ、北朝鮮に核を放棄させるため日ロ両政府が緊密に連携していくことを改めて確認しました。