ワシントンで開かれていたG20=主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議が閉幕しました。保護主義の広がりやアメリカと中国の貿易摩擦について各国が懸念を強め、貿易の拡大によって成長を目指すことを改めて確認しました。G20の会議は、世界経済の課題について2日間にわたって討議を行い、日本時間の21日未明、閉幕しました。
今回の会議はアメリカと中国が互いに関税を引き上げて輸入を制限する措置を発動し、米中の貿易摩擦によって、G20の結束にほころびがみられる中で開かれました。
会議の中では保護主義による内向きな政策に加え、米中間の摩擦がさらにエスカレートすれば、世界経済のブレーキになりかねないという懸念が各国から相次いで示されました。
このため、「開かれた市場を維持し、保護主義と闘う」などとするこれまでの合意に基づいて、G20の各国が協調して貿易の拡大に取り組み、世界経済全体の成長を目指していくことを改めて確認しました。
記者会見した議長国・アルゼンチンのドゥホブネ財務相は「足並みが揃わない点は確かにあるが、貿易が経済成長に大きく貢献しているという認識は一致した」と述べて、会議の成果を強調しました。
各国の対立 具体的対応打ち出せず
G20の議長国、アルゼンチンのドゥホブネ財務相は会議が閉幕したあとの記者会見で、今回の議論では貿易摩擦への懸念が相次いだとしたうえで、「経済成長や繁栄、それに生産性を高める観点から、いかに自由貿易が有益かということでは一致した。多少の意見の相違はあっても、自由貿易が経済成長に資するという点で大きな合意があった」と述べ、自由貿易の重要性では一致したことを明らかにしました。
ただ、今回の会議では、アメリカのトランプ政権の保護主義的な政策によって、各国との対立が深刻になっている今の事態をどう解決するか、具体的な対応を打ち出すことはできませんでした。