[フランクフルト 26日 ロイター] – 欧州中央銀行(ECB)は26日の理事会で、主要政策金利を予想通り据え置いた。リファイナンス金利は0.00%、限界貸出金利は0.25%、中銀預金金利はマイナス0.40%とした。ガイダンスも維持した。ドラギ総裁の理事会後の記者会見での発言要旨は以下の通り。
<金融政策は討議せず>
金融政策そのものについて(今回の理事会では)討議されなかった。理事会メンバーはそれぞれの国の状況を説明した。
<安定した手腕>(インフレの目標に向けた)収束は、潤沢な金融緩和がなお条件となっている。このため、今回の理事会では「安定した手腕」との文言が使われた。
<忍耐、慎重、粘り強さ>われわれの政策はうまく機能してきた。これからも機能し続ける。このため、(今回の理事会では)忍耐、慎重、粘り強さといった文言も使われた。
<保護主義の脅威>ユーロ圏の成長見通しを巡るリスクは、引き続きおおむね均衡している。ただ、保護主義の脅威拡大を含む世界的な要因に絡むリスクが幾分顕著となった。
<貿易戦争の影響>影響は(これまでのところ)大きくないようだ。報復措置が取られる場合、それがどのように直接的な影響を及ぼすのか、現時点では分かりようがない。確実なことは(貿易戦争になれば)企業の業況感や輸出などに深刻かつ急激な影響が及び、ひいては成長見通しにも響きかねないということだ。
<成長見通し>3月初めの会合以降入手した情報は、ユーロ圏景気が堅調で広範に拡大した状態と引き続き一致するものの、(経済成長が)幾分緩やかになったことを示す。年明け以降、成長ペースは幾分緩やかになったことが経済指標で示されている。こうしたことは昨年終盤にみられた速いペースでの成長の反動を一部反映している可能性があるほか、一時的な要因が作用している可能性もある。引き続き底堅く、裾野の広い成長が見込まれる。
<基調的な力強さ>インフレ率がわれわれが目標とする2%に近いがこれを下回る水準に向け収束していくとのわれわれの確信は、ユーロ圏経済の基調的な力強さに引き続き裏打ちされている。
<インフレ見通し>基調的なインフレ指標は全般的に引き続き抑制されている。金融政策措置や景気拡大の継続、これに伴う景気の需給の緩み吸収、賃金上昇の加速が支援する形で、中期にかけ指標は徐々に上昇する見通しだ。
<一部指標の低下は予想外>(経済指標の)低下は大幅で、一部指標の低下の度合いは予想外だった。
<指標を読む際の注意>(経済指標に関する)議論で重要とおもわれる点は、指標の動きを読む際の注意であり、インフレが目標水準に収束するという確信が変わらないかぎり、そうした注意は緩和されるということだ。
<中期的なインフレ>基調的なインフレ指標は、中期的に徐々に上昇していくと予想される。
<潤沢な金融刺激必要>基調的なインフレ圧力を引き続き高め、中期的な主要インフレ動向を支援するため、潤沢な金融刺激が依然必要となる。
<ユーロ相場は討議せず>為替レートは安定し、最近は変動がより少ないため、討議しなかった。
<為替相場を注視>理事会は、インフレ見通しに及ぼし得る影響を鑑み、為替レートの動向や他の金融状況を引き続き注視していく。