史上初の米朝首脳会談を前に、日本政府は、北朝鮮の沿岸海域に向かう中国漁船が相次いで確認されていることから、国連安全保障理事会の制裁決議に違反するおそれもあるとして、中国側に外交ルートを通じて注意喚起を行いました。
米朝首脳会談に向けて関係各国の動きが活発になる中、政府は、北朝鮮が非核化などへの具体的な行動を取るまで圧力を弱めるべきではないとして、北朝鮮周辺海域の監視活動を続けています。
こうした中、先月末以降、対馬海峡付近を通って北朝鮮の沿岸海域に向かう中国漁船が相次いで確認されていて、日本政府の問い合わせに対し、「北朝鮮沿岸に漁に行く」と話す中国漁船の乗組員もいるということです。
日本政府は、北朝鮮が過去に沿岸での漁業権を中国の関係者などに売って外貨を稼いでいたものの、去年採択された国連安全保障理事会の制裁決議の対象となったことから、決議に違反するおそれもあるとして、中国側に外交ルートを通じて注意喚起を行いました。
また、政府関係者によりますと、イギリスやオーストラリアなどの協力も得て行っている監視活動で、安保理決議で禁止された北朝鮮船籍の船舶による洋上での物資の積み替え、いわゆる「瀬取り」の疑いがある事象が複数回確認されているということです。
また、中国と北朝鮮の国境付近でも人や物資の動きが活発になっていることから、日本政府は、アメリカなどと連携し引き続き情報収集に全力を挙げることにしています。