• 中国が北朝鮮に強硬路線への転換を促している可能性を示唆
  • 取引がまとまれば金委員長が北朝鮮を今後も統治

トランプ米大統領は17日に記者団に対し、北朝鮮との核兵器プログラムを巡る交渉では「リビア方式」の非核化を検討しない考えを示し、ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)の意見を退けた。

トランプ大統領は北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長との会談の際に、「リビア方式は(北朝鮮に対して)われわれが検討する方式では全くない」と言明。米国との貿易摩擦を抱える中国が北朝鮮に対し、核交渉で強硬路線への転換を促している可能性があることを示唆した。

5月17日にワシントンでトランプ大統領の話を聞くボルトン大統領補佐官(中央)
撮影:Andrew Harrer / Bloomberg

ボルトン大統領補佐官は北朝鮮の非核化でリビア方式の採用を提唱し、同国から怒りを買った。リビアのカダフィ大佐は同方式を受け入れた後、政権が崩壊し、米国が支援する反体制派に殺害された。北朝鮮はこの歴史を熟知しており、金桂冠第1外務次官は16日、北朝鮮がボルトン氏に「嫌悪」を感じていると述べた。

トランプ大統領は17日、北朝鮮が非核化で米国と合意に達しない場合はリビアとの比較がより適切になるとコメント。「われわれはカダフィ大佐を倒すためにそこに行った。この方式は、取引がまとまらなければ実施される可能性が最も高くなるだろう」と語った。その上で大統領は、金委員長との交渉による解決は「大きく異なる取引」になると述べ、同委員長が北朝鮮を統治し同国が極めて裕福になるだろうと話した。

原題:Trump Rebuts Aide Bolton, Says Libya Isn’t a Model for Kim Talks(抜粋)