[ニューヨーク 17日 ロイター] – ニューヨーク外為市場は、ドルが対円で4カ月ぶり水準に急伸した。米国債利回りが上昇し、同国景気の見通しが明るさを増したことをうかがわせた。米10年債利回りUS10YT=RRは一時、約7年ぶり高水準となる3.122%を付けた。

利回りの上昇は米国経済への楽観的な見方が根強いことを映し、年内さらに2回以上の米利上げを見込む予想が強まった。ドルは円JPY=に対して一時110.80円と、1月23日以来の高値水準を記録した。直近で0.3%高の110.74円。ドル指数.DXYは0.1%高の93.462と、年初来高値の93.632を下回った。イタリアで連立協議中の2党が行うとみられている要求への懸念から、ユーロは対ドルで約5カ月ぶり安値に沈んだ。

大衆迎合主義(ポピュリズム)政党「五つ星運動」と極右政党「同盟」が、欧州中央銀行(ECB)に対し、2500億ユーロの債務免除を要請する可能性があるとの見方が出ている。ユーロは対ドルEUR=で1.1798ドルに下げ、前日に付けた年初来安値(1.1763ドル)をやや上回った。

ドル急伸を受け、ユーロはここ3週間で急落。投資家の間には米金利がさらに上昇するとの見方や、他の中銀が金融引き締めを延期するとの声も聞かれた。こうした背景から、年内のドル安を予想していた投資家がポジションカバーの動きに走り、ドルを一段と押し上げる要因となった。英国政府が欧州連合(EU)離脱後に関税同盟残留の意向と伝えた報道を否定し、英ポンドGBP=は上げ幅を縮小した。

ドル/円
NY終値 110.76/110.78
始値 110.57
高値 110.85
安値 110.57

ユーロ/ドル
NY終値 1.1793/1.1797
始値 1.1790
高値 1.1811
安値 1.1785