• 五つ星と同盟、首相指名候補は公表せず-21日に大統領に話すと同盟
  • 貧困層への歳出拡大と減税を盛り込む-合意内容

イタリアのポピュリスト2政党が連立協定に最終合意した。貧困層への歳出拡大と減税が盛り込まれ、欧州連合(EU)の方向性とは真っ向から対立する。

反エスタブリッシュメント(既存勢力)政党「五つ星運動」のディマイオ党首(31)は18日、10日間の交渉を経て反移民政党「同盟」のサルビーニ書記長(45)との間に残っていた最後の問題を解決したと発表。両党とも連立協定を党員投票にかける用意ができていると語った。

サルビーニ氏(左)とディマイオ氏(右)Getty Images

オンライン上に公表された新政権の政策では、EUの予算規則見直しやロシア経済制裁解除、定年引き上げを定めた年金改革の撤回などを要求。先に公表された協定草案を基に国際通貨基金(IMF)元財政局長のカルロ・コッタレッリ氏が試算したところ、これらの政策実現には最大1260億ユーロ(約16兆5000億円)の費用がかかる可能性がある。

両党は次期首相に指名する人物の名前を依然挙げていない。サルビーニ氏は21日にマッタレッラ大統領と会談する際に告げると述べた。

発表を受けてイタリア資産には売りが殺到。イタリア10年債利回りは最大で11ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、10カ月ぶりとなる2.22%を付けた。ポルトガルやスペイン債にも売りが波及している。株式市場では銀行を中心に売られ、イタリアの代表的指数であるFTSE・MIBは一時1.5%安まで下落。安全志向が強まり、ユーロはスイス・フランに対して6日続落となっている。

原題:Italian Populists Seal Pact to Challenge EU Establishment (1)(抜粋)