シリアのアサド政権は、首都ダマスカス近郊に残っていた過激派組織IS=イスラミックステートの支配地域を奪還したと発表し、一時、シリア国内の広い地域を支配したISの活動地域は、東部と南部の一部だけとなります。

シリアのアサド政権は21日、国営テレビを通じて、首都ダマスカスの近郊に立てこもっていた過激派組織ISの戦闘員を一掃し、支配地域を奪還したと発表しました。

シリア国内でかつて広い地域を支配したISは、去年10月に「首都」と位置づけてきた北部のラッカを失うなど、壊滅寸前になっていて、今回の奪還でISの活動地域は、東部と南部の一部だけとなります。

アサド政権にとっては、7年にわたる内戦で初めて、首都周辺で治安を脅かす勢力がいない状態を実現したことになり、国営テレビは、兵士たちが国旗や銃を掲げて勝利を祝う様子を放送し、戦果をアピールしました。

一方、今回の戦闘をめぐり、内戦の情報を集めている「シリア人権監視団」は、アサド政権がISと交渉し、戦闘員の撤退を促したと指摘しましたが、政権側はこれを否定しています。