• イタリア債下落、ドイツ債とのスプレッドが6月以来で最大に
  • 閣僚名簿を大統領が承認すれば宣誓就任、来週にも信任投票

イタリアのマッタレッラ大統領は23日、ポピュリスト2政党が首相に推すジュゼッペ・コンテ氏に組閣を要請した。

大統領はコンテ氏(53)との会談後、同氏に政権樹立を委ねた。大統領府が発表した。反エスタブリッシュメント(規制勢力)政党「五つ星運動」のディマイオ党首と、反移民政党「同盟」のサルビーニ 書記長は「変革する政府のための協定」で合意し、コンテ氏を首相候補とした。

コンテ氏は大統領との会談で組閣要請を受け入れた後、「欧州の中でイタリアの位置を確認する必要を認識している」と述べた。ユーロ懐疑派の五つ星と同盟の合意に基づいた政策をとるとも語った。

コンテ氏はフィレンツェ大学の教授であるとともに現役の弁護士。同氏が率いることになるユーロ懐疑派政権は、誕生前にすでに市場を不安に陥れている。ディマイオ、サルビーニ両氏は大規模な支出と減税を約束しているが、イタリア経済の低成長の中で実行は困難だ。コンテ氏の政治経験の無さも懸念されている。

イタリア債は23日に下落し、10年債で比較したドイツ債とのスプレッドは6月以来で最大の189ベーシスポイント(bp)まで拡大した。利回りは一時、ほぼ3年ぶりの高水準に達した。

コンテ氏は24日に主要政党の指導者らと会談する公算だと、五つ星のトニネッリ上院議員が記者団に述べた。同氏は閣僚名簿を作成して大統領に提出。大統領が承認すれば内閣が宣誓就任し、両院での信任投票が来週にも実施される。

ユーロ離脱に備えた計画をたびたび政府に呼びかけてきたエコノミストで企業幹部のパオロ・サボナ氏を、五つ星と同盟は財務相候補に推していると両党の幹部が述べた。

原題:Italian Populists Get Shot at Premiership in Challenge to Europe(抜粋)
Italy Populists Get Shot at Premiership as Europe Challenged (1)