-
元IMF局長のコッタレッリ氏に大統領が暫定政権組閣委ねる
-
暫定政権が議会の信任得られない場合、今秋にも再選挙と同氏
イタリアのマッタレッラ大統領は28日、エコノミストのカルロ・コッタレッリ氏に再選挙までの暫定政権の組閣を委ねた。ポピュリスト政党は連立政権樹立失敗について大統領への批判を強めており、早ければこの秋にも選挙となる可能性がある。
元国際通貨基金(IMF)財政局長のコッタレッリ氏(63)は記者団に、イタリアはユーロ圏にとどまると明言。また、欧州連合(EU)との「建設的対話」を呼び掛けた。「大統領は私に、この国を新たな選挙に向かわせるプログラムを持って議会に臨むよう求めた」と語った。
コッタレッリ氏は、暫定政権が議会の信任を得られない場合は8月より後の総選挙に向け準備する方針を示した。上下両院の信任が得られれば、選挙は2019年序盤になるとみている。
財政について厳格な姿勢で知られるコッタレッリ氏の首相指名はイタリアの政治的亀裂を深める。ポピュリスト政党は大統領がユーロ懐疑派のパオロ・サボナ氏の財務相指名を拒んだことについて、市場およびEU加盟国の圧力に屈したと批判している。
反移民政党「同盟」のサルビーニ書記長はフェイスブックで、大統領がイタリア国民の意思よりもEUを尊重したとし、「民主主義にとって問題だ」と糾弾した。EUの規則が変更されなければイタリアがEUにとどまることに合理性はないとも論じた。
ユーロは一時の上げを失い、ローマ時間午後1時26分現在は前週末からほぼ変わらず。イタリアとドイツの10年債利回り格差は4年余りで最大に達した。世論調査は再選挙でのポピュリスト優位を示唆している。
原題:Italy Heads to New Vote With Europe as Campaign Faultline (1)(抜粋)