• ユーロ懐疑派のパオロ・サボナ氏は欧州問題担当に
  • ディマイオ、サルビーニ両氏が副首相-労働相や内相も兼任

イタリアではポピュリスト政党の「五つ星運動」と「同盟」が連立政権を樹立する運びとなった。新内閣は現地時間6月1日午後4時に宣誓就任する。歳出拡大を打ち出した新政権の政策は欧州連合(EU)規則への挑戦ともなりかねない。

ジュゼッペ・コンテ氏、フォトグラファー:Alessia Pierdomenico / Bloomberg

政治経験のない法学教授のジュゼッペ・コンテ氏(53)が新政権の首相となる。五つ星のディマイオ党首と同盟のサルビーニ書記長は政権獲得を一度は阻まれ早期選挙を訴えていたが、ポピュリスト政権の樹立にこぎ着けた。

両氏は副首相となり、財務相にはエコノミストのジョバンニ・トリア氏(69)が就く。マッタレッラ大統領が財務相として拒否したユーロ懐疑派のエコノミスト、パオロ・サボナ氏(81)は欧州問題担当相となる。コンテ氏が31日、記者団を前に閣僚名簿を読み上げた。

五つ星と同盟の合意が伝わるとイタリア国債は上昇し、10年債利回りは18ベーシスポイント(bp)ほど低下し2.7%となった。その後2.8%に上昇した。

歳出拡大と減税を掲げたポピュリスト連立の政策は市場の不安をあおっていた。LCマクロ・アドバイザーズの創業者、ロレンツォ・コドニョ氏はリポートで、「こうした提案がある時点で『主流』になると金融市場を納得させるのは新政権にとって大仕事だろう」と指摘した。

新政権は上下院で4日と5日に信任投票に臨む見通し。

ディマイオ氏は労働相および経済発展相を兼任、サルビーニ氏は内相を兼務する。外相は親欧州のエンツォ・モアベロ・ミラネージ氏。トリア氏はユーロについてイタリアおよび欧州での議論を呼びかけたこともある。

原題:Italy Populists Surge to Power in Challenge to Europe(抜粋)