Photographer: TOMOHIRO OHSUMI

モルガン・スタンレー野村ホールディングスは、合成債務担保証券(CDO)と呼ばれる複雑なデリバティブ(金融派生商品)の復活に賭けている。事情に詳しい関係者が明らかにした。

非公開情報だとして関係者が匿名を条件に述べたところによると、両社は過去1カ月に合成CDOの販売を増やした。モルガン・スタンレーは4月半ば以降に約10億ドル(約1100億円)相当をマーケティング。野村は3件で約15億ドル相当をオファーしたと関係者の1人が述べた。

合成CDOは企業が債務を返済するかどうかについてレバレッジをきかせた賭けを可能にする。10年前の米住宅市場崩壊時の損失を増幅させたのと同種の商品だ。発行の5倍増を昨年予想したシティグループが同市場の復活を主導しており、JPモルガン・チェースとBNPパリバも仕組み商品を手掛けていると関係者が述べている。

「信用スプレッドはタイトで投資家は利回りを探し求めているため、このような商品への需要は強く、新規の投資家からの問い合いわせも受けている」と、野村のロンドン在勤クレジット商品トレーダー、スコー・リー氏が述べた。

モルガン・スタンレーと野村の担当者は各社の案件についてコメントを控えた。

原題:Morgan Stanley, Nomura Are Said to Bet on Synthetic CDO Revival(抜粋)