• ルメール仏経済・財務相はEUが米国との貿易戦争望まずと発言
  • 各国はトランプ大統領の鉄鋼・アルミ関税に抗議

カナダのウィスラーで行われた主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議では、米国の通商上の行動が世界経済への信頼を損ね、西側諸国の同盟の有効性を脅かす恐れがあるとして、メンバー国である米国に異例の批判が加えられた。

G7の議長総括は米国を名指しし、来週の同国ケベック州シャルルボアでの首脳会議(サミット)で「断固たる行動」が必要だとしている。各国財務相はムニューシン米財務長官に対し、「全員一致の懸念や失望を伝えるよう」要請した。

議長総括によると、「友好国や同盟国に対し、国家安全保障を理由として米国が課した関税措置は開かれた貿易や世界経済システムの信頼感を損なうとして懸念が表明された」という。

議長国カナダのモルノー財務相は2日の議長総括で、「国際社会が重大な経済的・安全上の課題に直面しており、そうした課題はG7が団結して対処することが最良だ」と指摘。「われわれの市民のためにG7のメンバーは前進を続けるが、他のメンバーに向けられる貿易措置によって、この協調と協力が危険にさらされてきていることを認識する」と述べた。

同相は3日間にわたる厳しい議論の後で発言した。討議ではトランプ米大統領が欧州連合(EU)やカナダ、メキシコに鉄鋼・アルミニウム関税を発動すると決定したことに同盟国が反発し、ムニューシン長官に多くの不満が示された。

同長官は会議後の記者会見で、G7のメッセージをトランプ大統領に既に伝えたと述べた上で、同大統領が「貿易問題に取り組むことを望んでいるのは非常に明白だ」と指摘。「われわれの目的は公正でバランスが取れた貿易を確実にすることだ」と述べた。

ルメール仏経済・財務相は米国の関税措置について、「われわれには事態の深刻化を回避するためになお数日間ある。EUと米国の貿易戦争を回避するのに必要な措置を取るのに数日間が残されている」と述べ、EUが貿易戦争を望んでいないと強調。

ムニューシン長官も米国が鉄鋼・アルミ関税の適用除外の可能性で引き続き議論するだろうとあらためて表明した。

原題:G-7 Finance Chiefs Condemn Trump Tariffs as Allies Rebel (1)(抜粋)