• 2年債利回りは15bp上昇の1.16%、株価指数は一時1.6%安
  • 長期投資の外国勢はイタリア債を敬遠-ロンドンのトレーダー

6日の欧州金融市場では、イタリアの債券と株式に対する売りが継続。同国新政権の方向性が投資家を不安にさせているほか、欧州中央銀行(ECB)の政策当局者が今月の会合で資産買い入れ策の終了を議論する見通しを示唆したことが影響した。

イタリア債は2年債を中心に下落。ロンドン時間午前11時半時点で、2年債利回りは前日比15ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.16%となっている。10年債利回りは5bp上昇の2.84%。イタリアの代表的な株価指数FTSE・MIBは一時1.6%下落。銀行株に売りが集中した。

公に話す権限がないとして匿名で語ったロンドンのトレーダーによると、長期投資の外国勢はイタリア債の購入を避けている。一方でヘッジファンドはショートのポジションを積み増しているという。

ブルームバーグがまとめたデータによると、イタリア債の保証コスト(クレジット・デフォルト・スワップ=CDS)は17%上昇して240bpと、5月29日以来の大幅上昇を記録。先週記録した5年ぶり高水準の267bpに迫っている。

この日はECB当局者が相次いで6月会合で量的緩和(QE)策の今後を判断すると言明した。みずほの欧州金利戦略責任者、ピーター・チャットウェル氏(ロンドン在勤)は「QEの支援が縮小すれば、イタリア債相場にとって同国のマクロファンダメンタルズの重要性が大きく高まる。今のところ、市場はイタリア債務の膨張リスクに注目している」と指摘した。

原題:Italian Market Selloff Deepens as ECB Adds to Bonds, Bank Woes(抜粋)