スペインで不信任決議を受けて退陣したラホイ政権に代わり、中道左派のサンチェス政権が発足し、EU=ヨーロッパ連合との協調路線が明確にされるとともに、経済相や法相などを含む閣僚の6割以上に女性が起用されました。

スペインでは先週、中道右派のラホイ政権が汚職事件を受けた不信任決議で退陣に追い込まれ、7日、中道左派の社会労働党のサンチェス首相が率いる新たな政権が発足しました。

新政権では外相にEUの議会の議長も務めた経験のあるボレル氏が起用されるなど、EUとの協調路線が明確にされています。

また、経済相や法相などを含め全閣僚の6割以上に当たる11のポストに女性が起用されたほか、文化担当や科学担当の閣僚に民間から小説家や元宇宙飛行士が起用されるなど、多様性が打ち出されています。

サンチェス首相はさらに、カタルーニャ州の独立問題も対話による解決を目指すとして、自治体担当の閣僚にカタルーニャ州の出身者を充て、混乱の収拾を目指す姿勢を見せています。

一方で、与党となった社会労働党は、議会下院の350議席のうち84議席にとどまり、新政権はほかの政党との連携を余儀なくされることから、厳しい政権運営を迫られることが予想されます。