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中銀は通常を上回る規模の通貨スワップ入札を今週2回実施
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レアルは4-6月の通貨パフォーマンスで最下位
ブラジルの通貨レアルは、今週の中央銀行による介入にもかかわらず下落に歯止めがかかっていない。政策当局者は通貨下支えの新たな方法を探らざるを得ない状況にある。
政策当局は7日、通貨スワップ入札で新たに20億ドル(約2200億円)のドル売り・レアル買いを実施したものの、レアルは3日連続の大幅安となり、下落率は一時2.4%に達した。レアルは既に4-6月(第2四半期)の通貨パフォーマンスで最下位にある。1日当たりの入札規模が通常の7億5000万ドルを上回るのは今週2回目。ニューヨーク時間午後1時29分(日本時間8日午前2時29分)現在、レアルは1ドル=3.9468レアルと2016年以来の安値となっている。この日はブラジルの株価も下落した。
トレーダーの間では中銀がレアル相場の無秩序な下落を回避する姿勢を示すためスワップ入札規模のさらなる拡大やスポット市場での直接のドル売り・レアル買い、利上げを実施するとの観測がある。アルゼンチンやトルコ、インド、インドネシアの中銀もこの数週間、通貨防衛と資本逃避阻止のため利上げに動いた。
スタンダードチャータードの米州担当チーフエコノミスト、マイク・モラン氏は「漸進的な介入ではあまり効果がないため、より積極的な対応のリスクが高まることは不可避だ」と語った。
原題:Brazil’s Real Is in Free Fall as Traders Look to Central Bank(抜粋)