史上初の米朝首脳会談を前にワシントンを訪れている安倍総理大臣は、トランプ大統領と会談したあと共同記者会見に臨み、米朝首脳会談について、「日本だけでなく国際社会全体が、北東アジアの平和と安定に向けた扉が開くことを強く期待している」と述べました。また、拉致問題について、「最終的には私とキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の間で解決しなければならないと決意している」と述べ、日朝首脳会談の開催に意欲を示しました。

来週12日にシンガポールで開かれる米朝首脳会談を前にワシントンを訪れている安倍総理大臣は、日本時間の8日午前1時すぎからトランプ大統領と日米首脳会談を行ったあと、共同記者会見に臨みました。

この中で、安倍総理大臣は北朝鮮問題への対応について、「日米は常にともにある。累次の安保理決議の完全な履行を求めていくというこれまでの方針に全く変更はない。トランプ大統領は『われわれの制裁は非常に強力だ。北朝鮮が行動するまで制裁を解除しない』と述べている。日本の立場も全く同じで、日米は完全に一致している」と述べました。

そのうえで、米朝首脳会談について「拉致、核、ミサイルの諸懸案を包括的に解決し、北東アジアに真の平和が実現することをわが国は強く願っている。日本だけでなく、国際社会全体が米朝首脳会談によって、北東アジアの平和と安定に向けた扉が開くことを強く期待している」と述べました。

また、安倍総理大臣は拉致問題について、「トランプ大統領は世界の中で最も理解していただいている指導者だ。首脳会談で日本の考え方を時間をかけて話し、トランプ大統領にも十分理解して頂き、米朝首脳会談で提起することを約束していただいた」と述べました。

そのうえで、「拉致問題の解決は安倍内閣の最重要課題だ。最終的には私とキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長の間で解決しなければならないと決意している」と述べ、日朝首脳会談の開催に意欲を示しました。

さらに、安倍総理大臣は「日朝首脳会談を行う以上は北朝鮮の核、ミサイル問題、そして何より重要な拉致問題の解決につながることが極めて重要だ」と述べました。

そして「北朝鮮が正しい道を歩むのであれば、日朝ピョンヤン宣言に基づき、不幸な過去を清算し、国交を正常化し、経済協力を行う用意がある」と述べました。