[デモイン 7日 ロイター] – 米通商代表部(USTR)のグレッグ・ダウド首席農業交渉官は7日、中国やメキシコなどとの貿易摩擦の結果、年間1400億ドル規模の米農産物輸出の14%超に報復関税の影響が及ぶ公算が大きいとの認識を示した。
メキシコは5日、米国による鉄鋼・アルミニウム輸入関税への対抗措置として、米国産の鉄鋼のほか、豚肉やウィスキーなどを含む広範な品目に関税をかけると発表した。
ダウド氏はアイオワ州で開かれた農業関連イベントで、メキシコは米国産豚肉の最大の輸出市場で、豚肉はほかのどの農産品よりも報復関税の標的になっているようだと述べた。
中国もこれまでに、豚肉をはじめとする米国からの一部輸入品に対し報復関税を導入している。
ダウド氏は養豚業者に対し、「率直に言って、すべての(報復措置)で最も多くの矛先が向けられているのが豚肉だ」と語った。
トランプ大統領の票田であるアイオワやカンザスといった農業州が報復関税で打撃を受けるとみられる。
ダウド氏は日本が推進するTPP(環太平洋連携協定)にも言及。トランプ大統領は昨年、TPP離脱を表明している。ダウド氏は「日本との状況について非常に懸念している」と述べた。
また、貿易拡大に向け、英国の欧州連合(EU)離脱後に米英通商協議を開くことを望んでいるとした。