[ニューヨーク 11日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、週内に米朝首脳会談、米連邦公開市場委員会(FOMC)、欧州中央銀行(ECB)理事会などの重要なイベントを控え、ドルとユーロがともにレンジ内の取引に終始した。

カナダのシャルルボワで9日まで2日間の日程で開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)は、通商政策を巡り米国と6カ国の意見が対立する中、途中退席したトランプ米大統領がかろうじて採択された首脳宣言を承認しないとしたことで、G7の結束を示そうとした各国の取り組みは無益に終わった。

こうした背景にもかかわらず、主要6通貨に対するドル指数.DXYは一時0.14%上昇。ただ12日にシンガポールで実施される米朝首脳会談を巡る先行き不透明感から、上昇は抑制された。

欧州では、イタリアのトリア新経済財務相が10日付の伊紙コリエレ・デラ・セラのインタビューで、新政権にユーロから離脱する意思はなく、債務削減に努めると強調。これを受け、朝方の取引でユーロは1.1820ドルと、2週間ぶりの高値に迫った。ただその後は14日のECB理事会が意識され、ユーロは1.1785ドル近辺に戻している。

テンパス(ワシントン)のトレーディング等担当バイスプレジデント、ジョン・ドイル氏は「ユーロは1.1805ドル、1.1810ドルと行きつ戻りつしており、きょうはレンジ取引に終始している」としている。

ECB当局者から前週にタカ派的な発言が相次いだことで、市場ではECBが今週の理事会で債券買い入れ策の段階的な終了について何らかのシグナルを発するとの見方が強まっている。

ECB理事会に先立つ12─13日には米連邦準備理事会(FRB)がFOMCを開催。今回の会合でFRBは今年2回目となる利上げを決定するとの見方が大勢となる中、市場の焦点はFRBが示す将来の金利の道筋となっている。

CMEのフェドウオッチによると、先物市場はFRBは今回のFOMCでの利上げ後は、年内少なくともあと1回の利上げを行うとの見方を織り込む水準にある。

ドル/円
NY終値 110.02/110.05
始値 110.00
高値 110.11
安値 109.85

ユーロ/ドル
NY終値 1.1782/1.1786
始値 1.1781
高値 1.1814
安値 1.1775