[東京 12日 ロイター] – 日銀が12日に発表した5月の企業物価指数(速報)によると、国内企業物価指数(2015年=100.0)は前年比2.7%の上昇となった。前月比は0.6%の上昇。資源高の影響で前月から上昇幅が拡大した。プラスは17カ月連続となった。

ロイターがまとめた民間調査機関の予測中央値(前年比2.2%の上昇)を上回った。

前年比で見た内訳では、「石油・石炭製品」が19.4%上昇、「非鉄金属」が9.3%上昇した一方、「電気機器」は0.8%下落した。原油に加え、アルミ価格の上昇が指数全体を押し上げた。日銀によると、米国によるロシアのアルミ大手への経済制裁で供給量が減少したことなどが背景にあるという。

公表744品目のうち、前年比で401品目が上昇、254品目が下落した。上昇と下落の差は147品目で、前月確報から23品目増えた。

原油をはじめとする国際商品市況の影響を受けやすい状況が続いており、日銀は「米国の保護主義的な貿易政策を巡って政治的な駆け引きが続くとみられ、市況の変動を通じて企業物価全体の動きを大きく左右することになるだろう」(調査統計局)とみている。