• 背景にECBを控えたポジション調整や、米中貿易摩擦への懸念
  • 米国が中国製品への関税を準備中と米紙報道

13日のニューヨーク外国為替市場では、ユーロが米連邦公開市場委員会(FOMC)政策決定後の下げから反転し、日中高値を更新した。欧州中央銀行(ECB)政策委員会を翌日に控えたポジション調整や、米中貿易摩擦への懸念が背景。ブルームバーグのドル指数はFOMC後に上昇し日中高値を付けるも失速、前日比で反落した。

FOMCが25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) の利上げを決定し、2018年通年の利上げ予測を4回に上方修正したことを受け、声明の発表直後にはドル買いが広がった。その後でドルは、米国が中国製品への関税を準備中だとする米紙報道に押された。ユーロは遅い時間に1ユーロ=1.1801ドルの日中高値を付けた。

ニューヨーク時間午後4時30分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.1%低下。ユーロは対ドルで0.4%上昇し1ユーロ=1.1789ドル。ドルは対円で0.1%未満高い1ドル=110円35銭。

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が来年1月から毎回のFOMC後に記者会見を開催するとの発表が、利上げペース加速の兆候かもしれないと受け止められ、一時ドル買いを促した。ただ、同議長がその後、賃金の伸び悩みや比較的早い時期に中立金利に達するなどと指摘したことから、ドルは値を消した。ドルは主要10通貨の大半に対して下げた。円に対しては3週間ぶり高値の110円85銭まで上伸する場面を経て、前日比ほぼ変わらずとなった。

米中間の貿易摩擦を巡る懸念も再燃。米紙ウォールストリート・ジャーナルは、米国は中国製品に対する関税を15日にも発動する準備をしていると、情報源を明らかにせずに報じた。

欧州時間の取引

ドル指数が3日続伸となり、昨年11月以来の高水準に達した。米金融当局者の政策金利予想分布図が年内計4回の利上げを盛り込む可能性を見極める展開だった。新興国通貨に下落圧力に押されたこと、またポンドが大幅下落したことも、ドルの上昇に寄与した。

原題:Euro Reverses Post-FOMC Declines as U.S. Dollar Turns Down(抜粋)
Dollar Whipsawed After FOMC Rate Hike as ECB Nears: Inside G-10
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