安倍晋三首相(右)が拉致被害者家族と家族会メンバー(左から)浜本七郎氏、横田早紀江さん、家族会代表・飯塚繁雄氏らと面会した=14日午後、首相官邸(春名中撮影)
安倍晋三首相(右)が拉致被害者家族と家族会メンバー(左から)浜本七郎氏、横田早紀江さん、家族会代表・飯塚繁雄氏らと面会した=14日午後、首相官邸(春名中撮影)

 安倍晋三首相は14日、北朝鮮による拉致被害者家族会と首相官邸で約50分間面会し、日朝首脳会談について「首脳会談をこちらがやりたいといえば、足元を見られる」と述べ、会談時期などを慎重に見極める考えを示した。同席した複数の関係者が明らかにした。

首相は面会で、日朝首脳会談の時期や場所などについては「機微に触れる」として一切明かさなかったが、「私は北朝鮮にだまされない。1994年から拉致問題に取り組んできたが、何度もだまされてきた。北朝鮮のだましの手口は分かっている」と強調した。拉致問題に加えて核・ミサイル問題の包括的な解決が、経済支援の前提条件になるとの認識を重ねて示したという。

また、12日にシンガポールで行われたトランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の米朝首脳会談について「トランプ氏は、私が拉致問題に関して伝えたことを率直に金氏に言ってくれた。次は私の番だ」と説明した。「日本が北朝鮮と直接向き合い、拉致問題を解決していく決意だ」とも語った。