• 黒田総裁、賃金引き上げ呼び掛ける日本政府に同調
  • 黒田総裁はポルトガルで開かれたECBのパネル討論会で発言
日銀の黒田総裁、Photographer: Akio Kon/Bloomberg

日本銀行の黒田東彦総裁は20日、物価目標の達成に向け現状よりはるかに高い年3%ペースでの賃金引き上げを雇用主に求める日本政府の要請を支持した。

黒田総裁はポルトガルのシントラで開かれた欧州中央銀行(ECB)のパネル討論会で、3%の賃上げを求める政府の要請はかなり適切だと指摘。労働生産性の伸びは1%前後にあり、これは2%の物価安定目標の達成に3%の賃金上昇率が必要なことを意味するとの認識を示した。

日本の賃金上昇率は2018年に上向いたが、インフレ率を2%に押し上げる日銀の取り組みには依然つながってきていない。日本政府は過去5年間、民間に対し賃金引き上げを呼び掛けており、今年も春闘で3%の賃上げを訴えていた。

黒田総裁は最終的な結果はまだ分からないと述べた上で、政府はほぼ毎年、最低賃金を3%ずつ引き上げており、これは日銀の物価安定目標に沿うものだと指摘した。

原題:Bank of Japan’s Kuroda Says 3% Wage Gains Needed for Price Goal(抜粋)