仮想通貨を悪用した犯罪への対策が課題となる中、情報セキュリティー会社や信用調査会社などが共同で、ネット上の交友関係の分析や信用情報などから不審な人物や口座の情報をデータベース化し、交換会社などに情報提供する事業を始めることになりました。
仮想通貨をめぐっては、匿名性の高さから犯罪への悪用が課題となっていて、金融庁は先週、国内の交換会社6社に対し、マネーロンダリングを防ぐ対策などの体制が不十分だとして業務改善命令を出しています。
こうした中、仮想通貨関連の情報セキュリティー会社や信用調査会社など4社が企業連合を作り、新たな犯罪対策の事業を始めることになりました。
この中では、SNSの交友関係などネット上の情報の分析や信用情報などから反社会的勢力に関わっているおそれがある人物の情報をデータベース化するとともに、ネット上で公開されている仮想通貨の取引記録を分析し、不審な口座を犯罪に関与している疑いの強さに応じて点数化します。
個人情報保護の観点から情報は公開せず、問い合わせに応じて客や口座に不審な点がないかを交換会社に伝えることで、取り引きを断るなどの判断の参考にしてもらうのが狙いです。
企業連合のメンバーの日本信用情報サービスの泉信彦会長は「犯罪を未然に防ぐために情報を活用してもらい、仮想通貨業界の安全性を高めていきたい」と話しています。