アメリカの二輪車メーカーハーレーダビッドソンが、ヨーロッパ向けのバイクの生産をアメリカ国外に移すと発表したことについて、トランプ大統領は、EU=ヨーロッパ連合に白旗をあげた、としてハーレーダビッドソンを批判しました。
ハーレーダビッドソンは、25日、EUがアメリカへの報復措置として課した高い関税を避けるため、ヨーロッパ向けのバイクの生産をアメリカから国外の工場に移すと発表しました。
これについてトランプ大統領はツイッターに「ハーレーダビッドソンが白旗をあげた最初の企業となることに驚いている。私は彼らのために一生懸命戦ったのに」と投稿し、ハーレーダビッドソンを批判しました。また、アメリカはEUの貿易黒字で痛めつけられていると主張したうえで、投稿の最後に「辛抱してくれ!」と書き込んでいます。
トランプ大統領としては、通商交渉でEUなどから譲歩を引き出すまでの間は貿易摩擦は避けられず、アメリカ企業に向けて成果が出るのを待つよう呼びかけたとみられます。
トランプ大統領は、これまでハーレーダビッドソンをメイドインアメリカの象徴と持ち上げてきましたが、みずから仕掛けた強気の通商交渉で製造業の国内回帰とは逆の結果を招くことになり、国内からも批判が出ています。
ただ、ホワイトハウスのサンダース報道官は記者会見で「EUが不当で差別的な通商政策でアメリカの労働者への報復を図っている」と主張し、批判の矛先をEUに向けています。