[ニューヨーク 25日 ロイター] – ニューヨーク外為市場は、米国と他国の貿易摩擦激化への懸念がリスク選好の重しとなる中、ドルが対円で一時2週間ぶり安値を更新した。

ドル/円JPY=は0.44%安の109.48円。一時、2週間ぶり安値となる109.38円を記録した。

米財務省は、中国資本が25%以上を占める企業に対し、「産業上重要な技術」を保有する米国企業の買収を禁じる規則を策定している。政府当局者が24日、明らかにした。

ムニューシン米財務長官は、財務省が導入を計画している米ハイテク企業への投資制限について、中国だけに限定した措置ではなく、「米国の技術を盗用しようとする全ての国」が対象になると言明した。

貿易問題を巡る緊張が高まり、世界株式市場を圧迫した。

市場関係者の1人は「新しい1週間が始まったが、トランプ米大統領が中国や欧州連合(EU)に対し通商問題で脅しを強め、リスク選好の重しとなり続けており、(前週までと)同じ懸念が根強い」と話す。

主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.28%安の94.249。

中国人民銀行(中央銀行)が、市中銀行の預金準備率引き下げを公表したことを受け、人民元はオンショア取引を6カ月ぶり安値で終えた。

ユーロは対ドルEUR=で0.45%高の1.1708ドル。一時は約1週間ぶり高値の1.1713ドルを記録した。

ただ、ドイツのメルケル首相が移民・難民問題の対応に追われ、ユーロは引き続き不安定な域内政治の影響を受けやすい。

原油相場急伸の勢いが弱まり、資源国通貨の豪ドルAUD=やニュージーランド(NZ)ドルNZD=、カナダドルCAD=は軟調となった。

ドル/円
NY終値 109.76/109.79
始値 109.55
高値 110.02
安値 109.38

ユーロ/ドル
NY終値 1.1702/1.1706
始値 1.1651
高値 1.1713
安値 1.1652