中国人民銀、成長と市場安定化にシフト－貨幣政策委の声明が示唆＜bloomberg日本語版＞2018年6月29日 5:17 JST

投稿日 : 2018年6月29日 | カテゴリー : 中国, 中央銀行

中国人民銀行（中央銀行）は経済の平穏な発展を維持し、市場の期待を安定化させるために包括的な政策手段を用いると表明した。

人民銀は易綱総裁が率いる貨幣政策委員会を27日に開催。翌28日に発表した声明で、国内外の経済情勢を注意深く監視し、フォワードルッキングな政策の微調整に力を入れる方針を示した。易総裁が３月に就任してから初の貨幣政策委会合だった。

2017年末の前回会合後に公表された声明には経済成長に対する圧力への言及はなかった。声明内容の変化は、通商を巡る緊張が高まり国内景気が減速する中で、金融政策の目標が経済安定化に移りつつあることを示唆している。人民銀は７月５日から一部の市中銀行の預金準備率を引き下げる。引き下げは今年に入って３回目。

人民銀は今回の声明で、中国経済が依然として「根深い問題」を抱えているとしたほか、世界経済の見通しは「さまざまな挑戦と不確実性で一段と複雑化している」と分析。金融政策は引き続き慎重で中立的であるべきだが、「引き締めと緩和のバランスを取り」、妥当で十分な市場の流動性を確保すると表明した。