[ミュンヘン/ベルリン 1日 ロイター] – 独連立政権の一角を占めるキリスト教社会同盟(CSU)の党首であるゼーホーファー内相が、CSU党首と内相を辞任する意向を党の会合で表明した。CSU関係筋が1日、明らかにした。

CSU幹部が出席したこの会合では、メルケル独首相が先週の欧州連合(EU)首脳会議から持ち帰った難民・移民を巡る合意を党として受け入れるかどうかが話し合われた。

ゼーホーファー氏は、難民・移民受け入れに寛容なメルケル首相の政策に反対し、受け入れ厳格化を求めてきた。CSU関係筋によると、同氏はEU首脳会議での合意にもかかわらず、国境で一部の難民・移民を追い返す以外の選択肢はないとの見方を示したという。

メルケル首相は国境での難民・移民の受け入れ拒否に反対している。

ゼーホーファー氏はまた、CSU幹部の会合で、メルケル氏との協議で成果はなかったと語ったという。

関係筋によると、CSU幹部はゼーホーファー氏の留任を求めて説得に当たっている。

メルケル首相はZDFテレビのインタビューで、EU首脳会議で取り付けた正式な合意と口頭での約束は、CSUが望む難民・移民の抑制効果をもたらすと説明。その上で、難民・移民への対応はEU寄りのやり方になるとし、ドイツは第三者に不利益を与えるような一方的な行動を取らないとする方針をあらためて示した。

メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)が連立政権を維持するにはCSUとの連携が不可欠なため、ゼーホーファー氏の辞任でメルケル政権の先行きはさらに不透明になる。