-
米中の緊張緩和へ期待、金委員長からの手紙、パウエルFRB議長
-
EU離脱後の英銀の市場アクセス、日本株の劣勢夏まで
米共和党のライアン下院議長はトランプ大統領の通商政策に真っ向から異議を唱え、「雇用が海外に移転し、米国の影響力が後退するというリスクを冒している」と批判しました。ライアン氏の地元、ウィスコンシン州に本社を置く二輪車メーカーのハーレーダビッドソンは、一部生産の国外移転を表明しており、トランプ大統領から猛烈な批判を浴びています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
雪解けの気配
2000億ドル(約22兆5000億円)相当の中国製品に関税を課すというトランプ大統領の最新の警告に対し、中国商務省はまだ具体的な報復の手段を示していない。バークレイズの常健氏は「中国は売り言葉に買い言葉的な現行の報復モードから、制御された選択的な報復へと徐々に移行している可能性がある」と話した。ムニューシン米財務長官は下院金融委員会の公聴会で、自身と米政権当局者は貿易を巡る中国との協議に応じることができると発言。米中の緊張緩和への期待が広がり、米国株式市場は堅調に推移、ナスダック総合指数は過去最高値を記録した。
次回会談が楽しみ
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長はトランプ米大統領に宛てた6日付の書簡で、同大統領を称賛した。トランプ大統領が12日にツイッター上で、英訳と共に書簡の写真を公開した。書簡には、「24日前にシンガポールで行った大統領閣下との意義ある初会談と、共に署名した共同声明は紛れもなく重要な旅への出発だった」と記されている。日付から、ポンペオ米国務長官による先週の訪朝前に書かれたと示唆されるため、現在の北朝鮮の姿勢は依然不透明だ。
安眠を妨げるリスク
「今の経済のおかげで、よく眠れている」。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はラジオの番組で語った。「米経済は非常に良好だ」とし、失業率が20年ぶり低水準にあることを挙げた一方で、幅広い輸入品に対する高関税賦課が長期間続けば、成長に打撃を与えかねないと警告した。貿易面での対立により、「多くの製品やサービスに高い関税」が課されれば、「米経済へのマイナス要素となり得る」と述べた。
ソフトな離脱
英国のメイ首相は、欧州連合(EU)離脱後に望むEUとの通商関係の詳細を明示した「白書」を公表。この文書を巡っては重要閣僚2人が辞任し、与党・保守党内で造反の動きが拡大するなどメイ首相は在任2年間で最も厳しい局面に置かれている。首相はEUとの間で関税制度の提携と工業製品・農産品で同一の規則を持つ新たな「自由貿易地域」の設立を提唱。銀行はEU市場への現在のアクセスを失う。英政府は相互認証を通じて銀行のアクセスを維持する方法を模索していたが、断念した格好だ。
8月まで劣勢
日本株の下落率は、通商摩擦で米国と直接対立する中国株に迫っている。日本も米国との間に自動車関税問題を抱え、その結論が出る8月下旬まで不人気が続く可能性がある。TOPIXの年初来騰落率は12日時点でマイナス5.9%と先進24カ国でのパフォーマンスはワースト3位だ。プットコールレシオは2007年以来の高さにあり、海外勢も再び売り越している。アセットマネジメントOneの鴨下健ファンドマネジャーは、「今は日本経済が弱く、自動車などに関税をかけられると、インパクトが出てしまう」と警戒する。
その他の注目ニュース
AT&Tのタイム・ワーナー買収、司法省が反トラスト上訴
ブロードコム株が急落、CAテクノロジーズ買収に市場当惑
ビクトリアズ・シークレットは「ゲーム終了」-ジェフリーズ