ベルギーで開かれたNATO=北大西洋条約機構の首脳会議では国防費の増額などをめぐりアメリカとヨーロッパ各国の亀裂の拡大も予想されましたが、各国が努力を続けることで一致し、ひとまず、事態の悪化は避けられた形です。ただアメリカのトランプ大統領が会議を通して各国を厳しく批判するなど同盟関係の今後には懸念が残されています。
NATOの首脳会議は、ベルギーの首都ブリュッセルの本部で、12日まで2日間にわたって開かれました。
2日目は加盟国の国防費をGDP=国内総生産の2%に引き上げる目標について、トランプ大統領が初日に続いて再び取り上げ、各国にさらなる対応を求める異例の事態となりました。
トランプ大統領は会議後に記者会見を開き、「きょう非常に大きな進展を遂げた。NATOは強化された」と述べ、引き続きNATOに関与していく姿勢を示しました。
また、NATOのストルテンベルグ事務総長は「各国は取り組みを強化することで合意した。これはNATOをさらに強くする」と述べ、結束を強調したほか、ヨーロッパ各国の首脳も国防費の増額に努める考えを示しました。
今回の会議では、アメリカとヨーロッパの亀裂の拡大は、ひとまず、避けられた形ですが、貿易面で関係がきしんでいるアメリカとヨーロッパが安全保障面でも亀裂を露呈したことで、同盟関係の今後には懸念が残されています。