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4-6月の成長率は市場予想と一致-1~3月からは伸び鈍化
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貿易摩擦が景気の重しも、下期の減速は緩やか-クイジス氏
中国経済の4-6月(第2四半期)の成長率は市場予想と一致した。米国との貿易摩擦が激しくなる中で、景気がおおむね安定していることを示唆した。
4-6月の国内総生産(GDP)は前年同期比6.7%増加。2016年以来の低い伸びとなり、1-3月(第1四半期)の6.8%増から若干鈍化した。
6月の工業生産は前年同月比6%増加。市場予想は6.5%増だった。小売売上高は同9%増と、市場予想(8.8%増)を上回った。1-6月の都市部固定資産投資は前年同期比6%増と予想通りだった。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の大中華圏担当チーフエコノミスト、楊宇霆氏(香港在勤)は「6月は小売売上高の伸びが拡大し、工業生産の減速を補った。中国はニューエコノミーのおかげで力強い成長モメンタムを維持できた」と指摘。米国との貿易摩擦を巡る懸念が行き過ぎであることを示唆しているとコメントした。
国家統計局は一連の経済指標と共に発表した声明で、中国は1-6月(上期)に国内外で「極めて複雑かつ厳しい」状況に直面したと説明。統計局の毛盛勇報道官は、7-12月に貿易面で課題が生じる見通しだが、不動産投資の急速な伸びが今後も続く公算が大きく、インフラ投資は引き続き安定を維持するだろうと述べた。
オックスフォード・エコノミクスのアジア経済責任者、ルイス・クイジス氏(香港在勤)は「米国との貿易摩擦激化が成長率の重しになり始める」と分析。「4-6月に堅調だった消費が今後もバッファー役を果たす見通しだ。マクロスタンスのさらなる幾分の緩和もあり、7-12月の減速は緩やかなものにとどまるとわれわれは見込んでいる」と話した。
原題:China’s Economy Slows as Expected With Trade War Dimming Outlook(抜粋)