• USTRは中国とEU、カナダ、メキシコ、トルコを提訴したと発表
  • これらの国・地域は計2.6兆円相当の米産品への報復関税を導入

トランプ米政権は米鉄鋼・アルミニウム輸入関税に対抗して米国に課された関税は正当化できない報復関税だとして、反撃する。

米通商代表部(USTR)は16日、中国と欧州連合(EU)、カナダ、メキシコ、トルコによる米鉄鋼・アルミ関税への報復措置は不当だとして、世界貿易機関(WTO)への正式な提訴手続きを開始したと発表した。トランプ政権は今年、鉄鋼・アルミ輸入は国家安全保障上のリスクに当たるとの調査結果を受け、鉄鋼輸入に25%、アルミ輸入に10%の関税を課す措置を導入した。

ライトハイザーUSTR代表は発表資料で、「米国の貿易相手国・地域の一部はわれわれと共に共通の問題に対処するのではなく、米労働者や農家、企業を罰する目的の報復関税で対抗することを選んだ」と述べた。

ライトハイザー代表は米国は自国の利益を守るため「必要なあらゆる措置」を講じるつもりだとした上で、鉄鋼とアルミの過剰生産能力の問題に対処するためトランプ政権と「建設的に取り組む」よう貿易相手に求めた。

中国とEU、カナダ、メキシコ、トルコはトランプ政権の鉄鋼・アルミ関税に対抗し、合わせて234億ドル(約2兆6300億円)相当の米産品への報復関税を導入した。

原題:U.S. Hits Back at Allies, China on Metal Tariffs in WTO Move (2)(抜粋)