18日のニューヨーク外国為替市場では、ドルが上昇。ただ朝方からは大きく上げを縮めた。企業決算を巡る楽観や米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の議会証言がハト派寄りの内容だったことが寄与して、株式相場が上昇。これに原油や金属の価格上昇が加わり、資源国通貨にショートカバーが入った。

ドルは主要通貨に対し高安まちまち。スイス・フランと資源国通貨に対しては値下がり、ポンドに対しては上昇した。

円とスイス・フランは堅調。米国が発動した鉄鋼・アルミ関税は世界貿易機関(WTO)ルール違反だと、中国が表明したことに反応した。

ニューヨーク時間午後4時58分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.1%上昇。一時は0.5%上昇した。ドルは対ユーロで0.2%高の1ユーロ=1.1640ドル。対円では0.1%未満下げて1ドル=112円84銭。

クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は、米中の貿易対立緩和を目指した通商協議を足止めしているとして、中国の習近平国家主席を批判した。

またトランプ米政権はウラン輸入に国家安全保障上の脅威がないか調査を開始。結果次第では、ウランに関税が賦課される可能性がある。

トランプ大統領はこの日、先にメキシコと個別に貿易協定を結び、その後カナダと協定を締結する可能性があると発言。これを受けてメキシコ・ペソが急伸したことも手掛かりに、ドルは軟化した。

FRBがこの日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、景気は拡大を続けた一方、関税の影響により製造業者の間で懸念が強まった。

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、下院金融委員会で証言し、関税の経済への影響は表面化し始めたばかりだと指摘した。議会証言で議長は漸進的な利上げ継続の姿勢をあらためて表明し、景気に対するリスクはおおよそ均衡が取れていると説明した。

欧州時間の取引

欧州時間にはドルが上げを拡大する展開。パウエルFRB議長が前日に上院銀行委員会での証言で、「当面」は政策金利の漸進的な引き上げを継続する方針を示したことが背景にある。低調な英インフレ指標を受けてポンドは欧州時間も軟調だった。

原題:Dollar Pares Gains as Risk Aversion Recedes: Inside G-10(抜粋)
Dollar Extends Climb, Pound Slides to 10-Month Low: Inside G-10(抜粋)