19日のニューヨーク外国為替市場ではドルが上昇。トランプ大統領が金融当局の利上げに不満を示したことに反応して、ドルは一時下げに転じる場面もあったが、その後ホワイトハウスが大統領は金融当局の独立性を尊重しているとの声明を出したことで持ち直した。
トランプ大統領は米経済専門局CNBCのインタビューで、人民元の下落にも言及し、ドル上昇が米国を「不利な立場」に置いていると指摘。また利上げについては「うれしくない」と述べた。ホワイトハウスは長年にわたり、金融当局の独立性を尊重する立場から金融政策にコメントするのを避けてきたが、トランプ氏はこの伝統を破ったことになる。
ニューヨーク時間午後4時59分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.3%上昇。朝方には0.6%上げていたが、トランプ氏発言が伝わった直後、前日比マイナスに転落する場面もあった。ユーロは対ドルで0.1%未満上げて1ユーロ=1.1642ドル。朝方には一時0.6%安まで下げた。ドルは対円で0.4%安の1ドル=112円47銭。一時112円06銭まで下げた。
ドルは朝方は大きく上昇。トランプ大統領は、欧州連合(EU)がグーグルに50億ドルの制裁金を課したことについて、EUは「米国を利用している」とツイート。これを受けて貿易を巡る懸念が再燃した。
欧州時間の取引
欧州時間にはドルが上げを拡大する展開だった。貿易を巡る緊張が米金融当局の利上げ軌道を狂わせるとの懸念が後退した。またポンドが下落。英小売売上高が予想外に減少となったことが嫌気された。
原題:Dollar Resumes Climb After Trump Remarks Downplayed: Inside G-10(抜粋)
Dollar Advances for Third Day, Pound Slips on Data: Inside G-10(抜粋)