アメリカのCIA=中央情報局の高官は、中国がアメリカの国力を弱体化させる闘いを仕掛けてきていると指摘したうえで、次世代の通信規格5Gなどで中国に主導権を奪われる事態に強い警戒感を示しました。
CIAで中国の分析を担当している高官、マイケル・コリンズ氏は20日、西部コロラド州で講演しました。

この中でコリンズ氏は「中国がわれわれに仕掛けてきているのは基本的に冷戦だ。旧ソビエトとの冷戦とは異なるが、武力行使はせずに相手を弱体化させるという闘いだ」と述べました。

そのうえで、中国が力を入れている次世代の通信規格5Gなどを挙げ「中国の技術が5Gの標準になれば、われわれの情報通信や経済にとって大きな脅威になるし、軍事的な分野でも懸念となる」と述べ、先端技術やハイテク産業で中国に主導権を奪われる事態に強い警戒感を示しました。

さらにコリンズ氏は、中国が南シナ海で人工島を造成し拠点を築いていることについて、ロシアがウクライナから一方的に併合したクリミアと同じような力による現状変更だと非難したうえで、国際社会は南シナ海の状況により注意を向けるべきだという考えを示しました。