アルゼンチンで開かれていたG20=主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議は、日本時間の23日未明、声明を採択し閉幕しました。声明では、世界経済は「貿易の緊張の高まりなど下振れリスクが増大している」として、激化している貿易摩擦がリスクになっていると指摘しました。
日本やアメリカの先進国に加え、中国など新興国も参加したG20は、日本時間の23日午前3時半ごろ、2日間の討議を終えて閉幕し、声明を発表しました。
声明では、最大の焦点となったアメリカと中国などとの間で激化している貿易摩擦を念頭に、「いくつかの先進国で成長が弱まっており、貿易の緊張の高まりなど短期的、中期的な経済の下振れリスクが増大している」と明記し、貿易摩擦が成長を続けてきた世界経済のリスクになっていると指摘しました。そのうえで、保護主義と闘うなどとした去年7月のG20サミットでの合意を再確認し、今後、「リスクを軽減するため対話と行動を強化する必要がある」としました。
今回の会議では、アメリカのトランプ大統領が会議の直前、中国やEU=ヨーロッパ連合が為替を操作していると批判したことで、為替をめぐる議論も焦点となりました。これに関して、声明では、自国の輸出が有利になるよう意図的に通貨を安く誘導する「通貨安競争」は避けるべきだとしたことし3月のG20会合での合意を再確認しました。
議長国 アメリカを暗に批判
議長国・アルゼンチンのドゥホブネ財務相は記者会見で「対話により、G20の参加国のきずなは強くなり、建設的な、議論ができた」と述べて、会議の成果を強調しました。
一方で、アメリカのトランプ政権が保護主義的な動きを強めていることについて、ドゥホブネ財務相はアメリカの考えを否定はしないとしながらも、「私たちは意見を一致させることを重視し建設的な話し合いが欠かせないことを知らなければならない」と述べて、貿易摩擦を引き起こし孤立を深めるアメリカを暗に批判しました。