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日銀が政策微調整のサイン示すか、英中銀は利上げ見通し
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米雇用統計や中国財新PMI、スペインやイタリアGDPなども発表
世界経済を動かしたり、その動向を注意深く観察したりする人たちにとって、今週は夏休み入りを前に多忙な日々となる。
日本と米国、英国、ブラジル、インドなどの中央銀行がそれぞれ金融政策決定会合を開催する。BNPパリバの欧州金利担当シニアストラテジスト、エリック・オイノヤン氏は「債券市場を中銀が再び動かすようになった」と顧客に伝えた。
今週の主な注目材料は以下の通り。
火曜日
日本銀行の決定会合は30、31日。金融緩和策の微調整案を近く具体化するとの観測が高まっている。ブルームバーグが17-20日にエコノミスト44人を対象に実施した調査では、全員が政策の現状維持を予想。ただ、日銀は物価上昇率の見通しを修正するとみられている。
中国では7月の財新製造業購買担当者指数(PMI)が発表される。6月に続いて低下の予想。ユーロ圏ではフランスの7月の消費者物価が前年同月比2%超の伸びとなる見通し。スペインとイタリアの4-6月(第2四半期)国内総生産(GDP)は伸び鈍化が見込まれている。米国では160億ドル(約1兆7800億円)相当の中国製品に対する関税措置発動の検討期間が終了する。
市場の視点:日銀の政策変更の可能性に関する最近の報道を受け、先進国・地域のイールドカーブ(利回り曲線)は既に若干スティープ化。投資家は主要な債券市場のフラット化傾向に歯止めをかけ得る政策微調整が行われるかどうか、その手掛かりに目を凝らすことになる。
水曜日
米連邦公開市場委員会(FOMC)は31日と8月1日。ブルームバーグの調査で、政策金利変更を予想している市場関係者は1人のみ。一方、新興国通貨が軟調となる中、インド準備銀行(中銀)はこの日の会合で利上げするとみられている。ブラジルは過去最低の6.5%での据え置きが見込まれている。米財務省は債券入札の詳細を発表する。
市場の視点:9月利上げ見通しを米金融当局がより強固なものにするか、最終的にどの水準まで政策金利を引き上げる可能性があるかのヒントをトレーダーは見極めることになる。また、拡大する財政赤字の資金手当を図る米財務省が、5年債入札の規模を四半期ごとでなく毎月10億ドルずつ増やす方針を示すかという点にも関心が集まっている。
木曜日
イングランド銀行(英中銀)はこの日、政策金利の0.75%への引き上げを決定すると予想されている。ただ、無秩序な欧州連合(EU)離脱リスクが高まる中、金融政策委員会(MPC)の全委員が賛同することはないかもしれない。メキシコ中銀は6月に利上げしたばかりで、今回は効果を見極めるため政策変更はしないとみられている。
市場の視点:市場が織り込んでいる今会合での英中銀の利上げ確率は約80%。しかし、EU離脱を巡る懸念がポンド相場の重しとなる中、トレーダーは1回限りの利上げとなるのか、その手掛かりを探ることになるだろう。MPC委員の何人が利上げを支持するかも注目だ。
金曜日
月の最初の金曜日ということは米雇用統計の発表日。ブルームバーグの最新調査では7月は非農業部門雇用者数が前月比19万3000人増え、失業率は3.9%に低下する見込み。通商対立が続く中で関心が集まる米貿易赤字は6月、461億ドルに拡大したと予想されている。
市場の視点:米失業率は約20年ぶりの低水準近辺だが、主な注目点は平均時給とそれが示唆する、より広範なインフレ動向だ。
原題:Storm of News to Hit Global Economy This Week Before August Calm(抜粋)