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メイ首相期待の案、バルニエ氏は決して受け入れられないと却下
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首相は身動きとれない状況に、合意なしの離脱可能性高まる
欧州連合(EU)離脱を巡りメイ英首相の選択肢は狭まりつつある。
EUは26日、離脱後の通商関係に関する英国案の中核的な部分を拒否した。合意までに残されている時間がわずか12週間程度という状況で、メイ首相は再度の練り直しを求められた格好だ。
メイ首相は通商についての自身の案が分裂状態にある英議会にも売り込める最良のものだと考え、期待をかけていた。だが、EUの首席交渉官であるミシェル・バルニエ氏は決して受け入れられないと述べ、すげなく提案を却下した。
これでメイ首相は身動きのとれない状況に陥った。残る全ての選択肢は首相としての自らの地位を危うくする恐れがある。合意なしの強硬離脱につながる可能性もある。
バルニエ氏は打開策の一つはEU関税同盟への残留だろうとも示唆したが、これは英与党・保守党内の一部から激しい反発を招くことに加え、関税同盟からの離脱を繰り返し表明しているメイ首相が発言の撤回を余儀なくされることを意味する。関税同盟への残留は野党・労働党が公に掲げている政策で、メイ首相に反旗を翻した保守党内の親EU派議員らも支持しているため、この案はとりわけ問題が多い。
原題:May’s Brexit Options Narrow After EU Tears Up Her Customs Plan(抜粋)