[ニューヨーク 1日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、米連邦準備理事会(FRB)が金利据え置きを決定しながらも米経済は力強いとの見解を示し、9月に利上げが実施される可能性が示唆されたことを受け、ドル指数が堅調な地合いを維持した。

FRBは声明で、経済成長は力強く上昇しており、雇用市場も引き続き力強さを増している中、インフレは前回6月の会合以降、FRBが目標とする2%近辺で推移しているとの認識を表明。今後の利上げの道筋については、年内はあと2回の利上げを想定しているとした。

B・ライリーFBRのマネジングディレクター兼首席グローバルストラテジスト、マーク・グラント氏は今回のFOMCについて「おおむね予想通りだった。特に大きなサプライズはなかった」と指摘。

コモンウエルス・フォーリン・エクスチェンジの首席市場アナリスト、オマー・エシナー氏は「FRBが示した見解は、年内はあと2回の利上げが実施され、来年は四半期ごとに利上げがあるとの予想を変えるものではなく、ドル相場のほか、より広範な金融市場もほとんど動かなかった」としている。

終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.14%上昇の94.629となっている。

トランプ米政権が2000億ドル相当の中国製品に当初発表の10%ではなく25%の輸入関税を提案することを計画していると伝わり、市場関係者は米中貿易戦争を巡る緊張が高まるとの懸念がドル支援要因となった。

オフショア人民元CNH=EBSは約0.5%下落。中国経済への依存が大きいことから豪ドルAUD=も対米ドルで下落した。地政学リスクが高まった時に買われる傾向のある円は対ドルで上昇。ユーロ/ドルは0.25%安の1.1662ドルとなった。英ポンドGBP=は横ばい。イングランド銀行(英中央銀行、BOE)は2日に開く金融政策委員会(MPC)で利上げを決定する公算が大きいとの見方が出ている。

ドル/円
NY終値 111.71/111.74
始値 111.88
高値 112.01
安値 111.40

ユーロ/ドル
NY終値 1.1658/1.1662
始値 1.1686
高値 1.1699
安値 1.1658