中国人民元相場の下落が長期にわたって続き、重要な節目である1ドル=7元の水準に接近したことを受け、中国当局は人民元下落の抑制に動いた。
中国人民銀行(中央銀行)は為替フォワード取引の一部を対象に、20%の準備金預け入れを義務付ける。人民銀が3日夜に声明を発表した。これによって元ショート(売り持ち)は、事実上コストが高くなる。人民銀は2015年の元切り下げ後に通貨の安定を図るために、この戦術を用いた。
人民銀は声明で、貿易摩擦が高まる中で外為市場にはボラティリティーの兆候が出ているため、マクロ金融面でのリスク回避を狙ったと説明。発表を受けて人民元はオフショア取引で急伸し、米株式指数先物は上昇に転じた。その後、中国財政省が米国の関税計画に対する報復関税案リストを発表すると、金融市場の動きは一部反転した。
原題:China Steps In to Support Yuan By Boosting Cost to Short (1)(抜粋)