[ドバイ 5日 ロイター] – イラン革命防衛隊は5日、過去数日にわたりペルシャ湾で軍事演習を実施したと確認するとともに、敵国による「脅威の可能性に対抗する」狙いがあったと説明した。国営イラン通信(IRNA)が伝えた。
複数の米当局者は2日、イランがペルシャ湾で海軍の軍事演習を開始したとの見方を示した。米政府との緊張が高まる中、年次演習の時期を前倒ししたとみられる。
IRNAによると、イラン革命防衛隊のラメザン・シャリフ報道官は、「同防衛隊の年次軍事演習の枠組みに沿って、国際水路の管理・安全確保を目的として演習を実施した」と述べた。
米中央軍は1日、ホルムズ海峡を含む地域でイラン海軍の作戦行動が活発化していることを確認。ホルムズ海峡は、イラン革命防衛隊が封鎖する可能性を警告している原油輸送の大動脈。
IRNAはシャリフ報道官の話として、イラン革命防衛隊のアリ・ジャファリ司令官が海軍の演習が成功裏に行われたことに満足感を表すとともに、「防衛態勢やペルシャ湾・ホルムズ海峡の安全保障を維持・強化し、敵国の脅威や向こう見ずな行動に対抗する必要性を強調した」という。
米当局者らは匿名を条件にロイターに対し、同軍事演習は米政府にメッセージを送る目的で行われているようだと語っていた。
両国の関係は、トランプ米政権がイラン核合意離脱と対イラン制裁の再開を決定したことで悪化。イランの高官などはこれまで、イラン産原油の禁輸を各国に呼び掛けている米政府の攻勢に容易には屈しないとの立場を示している。