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ドル・円は午後に一時110円11銭と6月28日以来のドル安・円高水準
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ユーロ・ドルは一時1.1365ドルと17年7月以来のユーロ安水準
東京外国為替市場で円は主要通貨に対して全面高。トルコ市場の混乱やその悪影響の波及を警戒したリスク回避の円買いが優勢だった。半面、ユーロは、トルコ向け投融資が多い欧州金融機関への懸念から対ドルで約1年ぶりの安値を付けた。
13日午後3時46分現在の円は主要16通貨全てに対して前週末比で上昇。前週末の米政府によるトルコへの関税引き上げ発表や、トルコのエルドアン大統領による米政府や金融市場に対する挑発的発言を受けて、相場は朝方から円買いが先行した。
円買いはドル・円相場の重しともなり、午後に一時1ドル=110円11銭と6月28日以来のドル安・円高水準を付けている。その後は、トルコ中央銀行がリラ建てとドル建て債務の支払準備率を引き下げる金融安定化策を発表したのを受けて下げ渋った。
FPG証券の深谷幸司社長は、「リスク回避で円は買われやすい。円売りポジションを手じまう動きで買い戻しが入りやすい」と指摘。「トルコの外貨建て負債のファイナンスがどうなるか。欧州金融機関の話が落ち着かなければ、円高基調は収まらないだろう」と述べた。
トルコリラ相場は、対円では一時1リラ=15円46銭、対ドルでは1ドル=7.23リラを超えて、それぞれ過去最安値を更新。その後、トルコの銀行規制監督庁がリラのスワップ取引を制限する措置を表明したことや、トルコ中央銀行の金融安定措置を受けて6.45リラまで戻した。
クロス円では、ユーロ・円相場が一時1ユーロ=125円15銭と5月30日以来のユーロ安・円高水準となったほか、ポンド・円相場は1ポンド=140円40銭と2017年8月29日以来のポンド安・円高水準を付ける場面があった。上田ハーロー外貨保証金事業部の山内俊哉マーケット企画部長は、「ユーロ・円は125円割れ、ポンド・円は139円割れまであってもおかしくない」とみている。
ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.1%安の1ユーロ=1.1399ドル。一時1.1365ドルと17年7月6日以来のユーロ安・ドル高水準を付けた。りそなホールディングス市場企画部の梶田伸介チーフストラテジストは、トルコ当局による対策の効果を見極めたいとした上で、「欧州金融機関への波及が懸念されているが、そこまで悪影響が行かず、徐々に落ち着いてくると思う」と語った。