16日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下落。米国と中国が月内に次官級の通商協議を予定していることから、貿易問題を巡る懸念が後退した。ただ午後には下げを縮める展開となった。ムニューシン米財務長官が、トルコが拘束する米国人牧師の即時釈放を拒否するのであれば、米国は追加制裁で応じる用意があると述べたことに反応した。
ムニューシン長官はこの日の閣議でトルコへの追加制裁の可能性について語った。発言を受けて円はドルとユーロに対して値上がりした。またトランプ大統領はトルコについて「良き友人でないことが分かった」と発言した。ドルは主要10通貨に対して高安まちまち。
ニューヨーク時間午後4時55分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.2%低下。一時は0.5%下げる場面もあった。ドルは対ユーロで0.3%安の1ユーロ=1.1374ドル。対円では0.1%上昇し1ドル=110円89銭。
トランプ大統領は16日、投資家はドルに資金を注ぎ込んでいるとツイッターに投稿。これまではドルの下落につながるようなコメントを発してきたが、この日は語調に変化が見られた。そうした中でもドルはこの日値下がりした。
リラは3日続伸。トルコのアルバイラク財務相は16日、資本の動きに規制を設けることを政策の選択肢から排除した。同相は投資家との電話会議で、インフレの抑制と経常赤字の縮小が政策の優先事項だと述べた。
欧州時間の取引
ドルは欧州時間も軟調な展開。主要10通貨の大半に対して下げた。中国政府が米国との月内の通商協議再開について発表したことで、ドル・ロングの解消が進んだ。一方でポンドは上昇。英小売売上高が市場予想を上回る伸びとなったことも手掛かりに、ポンドは買われた。
原題:Dollar Pares Loss After Talk of More Turkey Tariffs: Inside G-10(抜粋)