[ニューヨーク 17日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場で、ドルが主要通貨に対して下落。米中の貿易摩擦への懸念が後退する中、安全資産としてのドル需要が低下したほか、利益確定の売りも出た。

主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.56%下げて96.107。過去1カ月近くで最も大きな下落となった。

BKアセット・マネジメントの為替戦略マネジングディレクター、キャシー・リエン氏は、投資家がリスクを回避する中で、この数カ月は積極的なドル買いが続いたとし、「投資家は今夏の最後の2週間に向けてショートカバーとポジションの巻き戻しをしている」と述べた。

米中貿易摩擦の激化を受け、新興国通貨が売られドルが買われたが、来週に予定される次官級通商協議で対立緩和を期待する声もある。

また、ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツの世界商品・市場戦略ディレクター、カール・シャモッタ氏は「トルコ危機がリスク資産に重しになるとの懸念で、今週前半にかけてはかなりリスク回避が見られたが、その動きは幾分戻っているようだ」との見方を示した。

この日はトルコリラTRY=が対ドルで反落し、5%超下落。トルコに拘束されている米国人牧師、アンドリュー・ブランソン氏の釈放が実現しなければ、米国が制裁を強化するとの懸念を受けた。

ユーロ/ドルEUR=は0.59%高の1.1442ドル。今週付けた13カ月超ぶりの安値から反発している。

安全資産とされる円JPY=とスイスフランCHF=はそれぞれ小幅高となった。