アメリカのボルトン大統領補佐官は、ことし4月に行われた韓国と北朝鮮の首脳会談の際に、北朝鮮が1年以内に非核化を実現する考えを示していたことを明らかにしました。米朝の非核化をめぐる協議が難航するなか、北朝鮮に対応を迫る狙いがあるとみられます。
ホワイトハウスで安全保障政策を担当するボルトン大統領補佐官は、19日、アメリカのABCテレビのインタビューでことし4月の南北首脳会談の内容を明らかにしました。
韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領がアメリカに報告したやり取りによりますと、ムン大統領はキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長に対し、「北朝鮮が迅速に非核化すれば、日本や韓国などから援助や投資を受けられるようになる」と説明したということです。
さらにムン大統領が「非核化を1年以内に実現しよう」と呼びかけたところ、キム委員長も「はい」と応じ、北朝鮮が1年以内に非核化を実現する考えを示したということです。
ことし6月の米朝首脳会談では、北朝鮮の非核化の具体的な期限が共同声明に盛り込まれず、その後の協議も難航しています。
アメリカとしては、キム委員長が短期間での非核化に応じる考えを示していたことを明らかにすることで、北朝鮮に対応を迫る狙いがあるとみられます。
また、ボルトン補佐官はポンペイオ国務長官が近く改めて訪朝する見通しを明らかにし、非核化に向けたキム委員長との会談に意欲を示しました。