アメリカのポンペイオ国務長官は来週、北朝鮮を訪問して協議することを明らかにし、北朝鮮から核施設の申告など、非核化に向けた具体的な措置を引き出せるかが焦点となります。
ポンペイオ長官は23日、北朝鮮の非核化に向けた協議を行うため、来週、北朝鮮を訪問すると明らかにしました。ポンペイオ長官の訪朝は、先月上旬、首都ピョンヤンでキム・ヨンチョル朝鮮労働党副委員長と協議して以来、ことしで4回目です。また、ポンペイオ長官は北朝鮮問題を担当する特別代表に大手自動車メーカー、フォードのスティーブン・ビーガン副社長を起用し、今回の訪朝に同行させることも明らかにしました。
ポンペイオ長官は、北朝鮮の完全な非核化を求めると強調したうえで、「今回の目的は、非核化に向けた外交的な進展を得ることだ。北朝鮮の脅威を外交で解決することはトランプ大統領の最優先事項の1つだ」と述べました。
非核化をめぐっては、アメリカは北朝鮮に核兵器や核施設の申告など、具体的な措置をとることを求めているのに対し、北朝鮮は、核実験を中止したなどとして経済制裁の緩和や朝鮮戦争の終結宣言を求め、先月の協議の後には、アメリカが一方的に非核化を迫ったと不満を示していました。
双方の立場の隔たりが浮き彫りとなる中、今回の訪朝で、ポンペイオ長官が北朝鮮から核施設の申告など、非核化に向けた具体的な措置をどこまで引き出せるかが焦点となります。
国務省報道官「キム委員長と会う予定ない」
アメリカ国務省のナウアート報道官は23日の定例会見で、来週、北朝鮮を訪問するポンペイオ国務長官がキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長と会談するのかという質問に対して、「キム委員長と会う予定はない。今回の訪問には含まれていない」と述べました。
その一方で、「重要なのは、これまでほとんどやり取りがなかった国の政府と日常的に協議や対話が行われることだ」と述べ、訪朝の意義を強調しました。